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一般診療・一般外科手術の症例報告

同居のワンちゃんと同伴来院し、運よく先天性心疾患が見つかった症例

生後2ヶ月、体重720gのポメラニアン

診断:動脈管開存症
心臓疾患には先天性と後天性の病気があります。先天性心臓疾患とは生後生まれながらにして抱えている病気で、動脈管開存症はその代表的な先天性心臓疾患です。生まれた後、閉鎖するはずの動脈管(大動脈と肺動脈の間に位置する血管)が閉鎖せず、開通したまま残ることによって起こる血管異常の心臓病です。発見が遅れると心臓への負荷が大きくなり、心機能が低下していきます。外科治療などの根治手術を行わない場合、1年未満で死亡する可能性が高い怖い病気です。本症例は、チョコレートを誤食してしまった同居のワンちゃんの処置のため、たまたま同伴して初診来院していました。本症例の子も同じく誤食している可能性を考え、身体検査をしていたところ、運よく心臓病が見つかったという症例です。こういった例は稀ですが、かなりの強運の持ち主だと思います。もし今回の誤食がなかったら、心臓病の発見が遅れ、病状が進行していたかもしれません。心臓の詳細検査を行ったところ、すでに心臓が著しく拡大しており、今後の早期の心機能低下が予想されたため、低体重ではありましたが、外科手術による根治手術を行いました。手術後は良好で、こちらが驚かされる程の回復力の持ち主でもありました。今後は定期的な心臓検査しつつ、予防医療などの日常ケアの管理をしていきます。
本院では心臓疾患の早期発見・早期治療を推奨しています。本症例の動脈管開存症は特に早期発見・早期治療が重要な病気です。心臓病についてご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

  • 動脈管開存症
    左胸部より開胸後、大動脈と肺動脈の間に、
    開存したままの動脈管(黄色矢印)が確認されました。
    常法に従い、閉鎖術を行いました。

慢性外耳炎により耳道が骨化し、耳道内腔が著しく狭小化した症例

7歳のアメリカン・コッカー・スパニエル

診断:末期的な慢性外耳炎による耳道の骨化と耳道内腔の狭小化
最近、耳がにおう、耳が赤い、耳をよく掻く、首をよく振るなどの症状が見られましたら、外耳炎を起こしているかもしれません。外耳炎は頻繁にみられる病気のひとつで、歯磨きと同様で、適切な日常ケアを行わないと悪化し、治らなくなります。
本症例は、他院にて外耳炎治療をしていたが治らないとのことで来院されました。重度の強い炎症が長期間続いていたため、本来は柔らかいはずの耳道は骨化し、耳道の内腔は著しく狭小化、中には膿がたまり、強い臭気を伴っていました。不快感から頻繁に耳を掻いたり、首を振ったりもしていました。末期的な慢性増殖性外耳炎があり、石灰化を伴う水平耳道の狭窄までみられ、内科治療ではすでに効果が望めない状態であったため、全耳道切除を行いました。術後合併症として最も多く認められる顔面神経麻痺をはじめ、その他の合併症も認められず、良好な術後経過をたどっています。聴力への影響に関しては、脳幹聴覚誘発反応を用いた研究において、術後、空気性伝導は失われるものの、骨性伝導は保たれるとされているため、聴力への影響は少ないとされています。本症例でも影響はありませんでした。
外耳炎は一般的にみられる病気ですが、早期発見、早期治療をし、治療後も日常ケアにより、健康的な耳の状態を維持することが最も大切です。耳掃除の仕方など耳の管理でわからないことがございましたら、気軽にお尋ねください。

  • 末期的慢性外耳炎のため骨化した耳道(青矢印)のX線写真
    末期的慢性外耳炎のため骨化した耳道(青矢印)のX線写真。

左脇の巨大腫瘍の切除により、QOL(生活の質)が向上した症例

10歳の猫・去勢雄

診断:皮膚血管肉腫
猫の皮膚血管肉腫は老齢雄で多く認められる血管内皮細胞由来の高度悪性腫瘍性病変です。肺への転移が最も多く、広範な転移がしばしば認められます。症例は左脇に人のこぶし大の腫瘍があり、歩行障害、疼痛を主訴に来院。他に貧血、不整脈、腎不全などを合併していたため、緊急外科手術により腫瘍の完全切除を行いました。転移率の高い腫瘍であるため、術後に付加治療として抗癌剤を併用する場合もありますが、本症例は治療方針の相談の上、外科手術のみを行うこととしました。手術後、歩行障害が改善し、疼痛も緩和し、現在も再発・転移なく順調に経過しています。

  • 手術前(左脇にこぶし大の大きな腫瘍が存在)
    手術前
    (左脇にこぶし大の大きな腫瘍が存在)
  • 手術後(完全切除を行い、縫合を終えた後)
    手術後
    (完全切除を行い、縫合を終えた後)
  • 切除された腫瘍(病理組織学的診断:皮膚血管肉腫)
    切除された腫瘍
    (病理組織学的診断:皮膚血管肉腫)

 

胆嚢切開による胆嚢クリーニングを実施した症例

9歳のミニチュアダックスフント

診断:胆泥・胆石症
胆泥・胆石は一般的によくみられる胆嚢疾患です。内科管理では難しいことが多く、進行具合によっては胆嚢破裂を引き起こし、重度な腹膜炎を起こしてしまうこともあります。この症例は、飼い主様が外科的な早期治療を希望されたため、胆嚢切開により内部クリーニングを行った症例です。現在は、再発防止のための内科管理をしています。

  • 手術前の胆嚢
    手術前の胆嚢
    (内部が胆泥・胆石でしめられている)
  • 手術後の胆嚢
    手術後の胆嚢
    (正常な胆嚢内部)
  • 摘出された胆石
    摘出された胆石
    (結石分析:脂肪酸カルシウム)

右と左の両方の精巣が陰嚢内に降りてこなかった両側鼠径部皮下陰睾の症例

1歳5ヶ月のポメラニアン

診断:両側性潜在精巣(皮下陰睾)
生後適切な時期に精巣の片側あるいは両方が陰嚢内に降りてこないことを潜在精巣と言います。降りてこなかった精巣が鼠径部の皮下にあるときは皮下陰睾といい、お腹の中にあるときは腹腔内陰睾と言います。一般的に生後6ヶ月までの間に精巣は陰嚢内に下降するとされますが、多くの犬種で正常な下降時期は不明とされています。本症例は、両方の精巣がそれぞれの鼠径部の皮下にあるという比較的珍しい症例です。潜在精巣の病因は不明な点が多いですが、遺伝性と考えられています。適切な予防法はないため、潜在精巣を持つ雄は繁殖に使用しないようにしましょう。去勢手術には、マーキングやマウンティング、喧嘩や攻撃性を少なくする効果の他、精巣腫瘍、前立腺肥大や前立腺炎、肛門周囲腺腫瘍などの予防に効果があります。潜在精巣は、正常な精巣に比べ、約8倍も腫瘍になる可能性が高いとも言われていますので、陰嚢内に精巣が2つない時は、できるだけ早く動物病院にて去勢手術を行うようにしましょう。

  • 潜在精巣
    両側性皮下陰睾。左右の鼠径部の皮下に精巣が認められます(黄色矢印)。
    本来降りてくるべき陰嚢内には精巣がありません(青色矢印)。

注:飼い主様より許可を得ている症例のみ掲載しています。

ガルシア動物病院

〒135-0053
東京都江東区辰巳2-1-56

TEL 03-5534-0306

(診療時間内)

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犬、猫